【飲食店】~営業の際に必要な許可や申請~

飲食店を営業するためには、いくつかの許可や申請が必要です。

以下は一般的な手続きの一部ですが、具体的な条件や要件は地域や店舗の種類によって異なるため、詳細な情報は地元の自治体や関連機関に直接問い合わせることや詳しい弁護士税理士の方などの話を聞いてみることをお勧めします。

 

1飲食店営業許可(飲食店経営許可)

飲食店営業許可(または飲食店経営許可)は、飲食店を運営するために必要な許可です。

これは、地方自治体(市区町村)の保健所や食品衛生センターに提出する手続きの一つです。

この許可は、店舗が食品衛生や安全な食材の取り扱いなど、基本的な衛生規定を守ることができると認められた際に発行されます。

以下は、飲食店営業許可を取得するための一般的な手順です。

【申請書の提出】

飲食店経営を希望する場合、所轄の地方自治体の保健所や食品衛生センターに対して申請書を提出します。

【店舗の検査】

提出された申請書をもとに、保健所や食品衛生センターの担当者が店舗を検査します。

衛生管理や食材の取り扱いなどが規定に適合しているかを確認します。

【許可の発行】

検査が合格した場合、飲食店営業許可が発行されます。

これにより、店舗は法的に営業を開始することができます。

飲食店営業許可は、食品の安全性や衛生面に対する基本的な要件をクリアすることを目的としています。これにより、消費者が安心して店舗を利用できる環境が整えられ、公衆衛生を守る役割を果たしています。許可がない状態での営業は法に違反することになりますので、事前に適切な手続きを行うことが重要です。

 

2飲食店営業届出

 

飲食店営業届出も、飲食店を営業する際に必要な手続きの一つです。

営業届出は、一部の地域で営業を開始する前に行わなければならない手続きで、先ほどの飲食店営業許可とは異なります。

以下は一般的な概要です

【提出先】

営業届出は、通常、地方自治体(市区町村)の役所や商工会議所、または特定の窓口に提出します。提出先は地域によって異なりますので、具体的な要件や提出場所は地元の自治体の規定に従う必要があります。

【提出書類】

提出書類は地域によって異なりますが、一般的には営業者の基本情報、店舗の所在地や営業形態、経営者の履歴などを含む情報を提出する必要があります。

【手数料の支払い】

営業届出には通常、一定の手数料が発生します。

この手数料は、営業にかかわる行政サービスや検査などの費用を補填するためです。

【確認・登録】

提出された届出書類が確認され、必要な条件がクリアされた場合、営業届出が受理され、登録されます。

営業届出は、飲食店経営許可とは異なり、主に経営者の基本情報や店舗の所在地などを地方自治体に通知する手続きです。営業届出を怠ると罰金や法的な問題が発生する可能性がありますので、事前に地元の自治体の規定に従って手続きを行うことが重要です。

 

3建築基準法に基づく届出

 

建築基準法に基づく届出は、新築や改築、建物の用途変更などの建築物に関する事項を地方自治体に通知する手続きです。

建築基準法は、建築物の安全性や公共の福祉に関する基準を定めており、これに基づいて建築活動が行われます。

ただし、賃貸物件においては、通常、賃借人が行う内装の変更や改修に対しては、直接の建築基準法に基づく届出が必要な場合は少ないです。確認したうえで改装などの工事も進めていきましょう。

以下は、建築基準法に基づく届出に関する主なポイントです。

【届出の種類】

新築、改築、建物の用途変更、増改築、建物の構造変更など、建築物に関する様々な工事や変更に対して、建築基準法に基づく届出が必要です。

【提出先】

届出書類は、通常、地方自治体の建築行政機関や都市計画課などに提出します。建築基準法に基づく届出の手続きは、都市計画に関する事項も含まれる場合があります。

【審査と承認】

提出された届出書類は、地方自治体の建築行政機関によって審査されます。建築基準法に基づく基準や法令に適合しているかどうかが確認され、審査が通過すれば承認が与えられます。

【着工前の手続き】

通常、建築工事が始まる前に、建築基準法に基づく届出の手続きを完了する必要があります。

この手続きは、建物が法令に適合していることを確認し、安全性が確保されるようにするためのものです。

建築基準法に基づく届出は、建築物が法令に適合しており、安全性や公共の福祉を確保するための手続きです。これにより、建物が適切に構築され、周辺環境との調和が図られることが期待されます。

 

4アルコール類販売許可

 

アルコール類販売許可は、アルコール飲料を販売するために必要な許可です。

一般的には、飲食店や酒販店などがアルコール類を提供・販売する際に、地方税事務所からこの許可を取得する必要があります。

以下は、アルコール類販売許可に関する主なポイントです。

【提出先】

アルコール類販売許可の申請は、通常、地元の地方税事務所に行います。

地域によっては支所や出張所が担当することもあります。

【許可の種類】

許可の種類には、「酒類販売業許可」と「酒類製造業許可」などがあります。

酒類販売業許可はアルコール飲料を販売する業者に対して必要であり、酒類製造業許可はアルコール飲料を製造する業者に対して必要です。

【申請書類】

申請書類は、経営者や店舗の基本情報、アルコールの仕入れ先、販売計画などが含まれます。また、関係する法令や規定に遵守していることを確認するための資料も提出する必要があります。

【税金の取り決め】

アルコール類販売には酒税が課せられます。許可の取得に伴い、関連する税金の取り決めも行われます。

【検査】

一部の地域では、許可取得前に税務署や地方税事務所の担当者が店舗を検査することがあります。これは、法令順守や施設の適切な管理を確認するためです。

アルコール類販売許可を得ることは、アルコールの販売が合法かつ規制に従って行われることを確保するための重要なステップです。

許可を得ないままアルコールを販売することは違法であり、罰則が科せられる可能性があります。

地元の税務署や自治体の規定に従って手続きを進めることが必要です。

 

5営業税申告

 

営業税申告は、事業者が所在地の自治体に対して営業税に関する情報を提出し、納税する手続きのことです。営業税は、一部の地方自治体で課される税金の一つで、主に事業者が提供するサービスや販売する商品の売上高に対して課税されます。営業税は地方税であり、都道府県や市町村などの自治体が設定し、徴収します。

以下は、営業税申告に関する基本的な手順です。

【申告書の提出】

定期的な申告期間ごとに、営業者は所定の営業税申告書を作成し、営業所在地の自治体に提出します。申告書には、売上高や課税対象となるサービス・商品の種類などが詳細に記載されます。

【課税対象の確認】

営業者は課税対象となる売上高を正確に計算し、その金額に対して営業税率をかけて税額を算出します。課税対象や税率は地方自治体によって異なる場合があります。

【申告期限の厳守】

営業税申告書は通常、毎月または毎四半期ごとに提出する必要があります。申告期限を守ることが重要であり、期限を過ぎると罰則が課せられることがあります。

【税金の納付】

申告書に基づいて算出された営業税額は、期限内に自治体に対して納付されます。通常、納期も申告期限と同じですが、地方によっては異なる場合があります。

営業税申告は、事業者が法令を順守し、地方自治体に対して公平かつ正確な税金の申告と納付を行うための手続きです。適切な申告と納付を怠ると、罰則が科せられたり、法的な問題が生じる可能性があります。したがって、営業者は納税義務を遵守するために期限を守り、正確な情報を提出するよう心がける必要があります。

 

6労働基準法に基づく届出

 

労働基準法に基づく届出は、事業者が労働基準法に定められた規定に従って、雇用者や雇用条件に関する情報を提出する手続きを指します。労働基準法は、労働者の権利や労働環境に関する基本的な法律であり、これに基づいて労使双方の権利と義務が規定されています。

以下は、労働基準法に基づく届出の一般的な内容と手順です。

【雇用契約書の届出】

労働基準法には、雇用契約書の作成・届出が求められています。雇用契約書には、雇用条件、給与、労働時間、休暇制度などの基本的な事項が明記されている必要があります。

【労働時間・休憩時間の届出】

労働時間や休憩時間に関する基本的な規定に従って、雇用者はこれらの情報を届け出る必要があります。例えば、法定労働時間や労働基準法に基づく休憩時間の確保などが含まれます。

【賃金の届出】

雇用者は、従業員に支払う賃金について、法定の基準に基づいて情報を提出します。

最低賃金や給与の支払い時期、賞与などが含まれます。

【労働災害の届出】

労働基準法では、労働災害が発生した場合には速やかにこれを労働基準監督署に報告することが求められています。

これらの届出は、事業者が法律を順守し、従業員の権利を保護するための手段となっています。

また、これにより、労働基準監督署が企業の労働状況を把握し、必要に応じて是正や助言を行うことが可能です。労働基準法に基づく届出は、事業者にとって法的な義務であり、これを怠ると罰則が科される可能性があります。

 

7店舗固有の許可

 

一部の飲食店では、特定の条件を満たすための追加の許可や届出が必要な場合があります。例えば、喫煙席の設置に関する規制などが該当します。たばこ以外にも、店舗が特定の事業やサービスを行う際に必要な許可があります。

以下は、店舗固有の許可の一例です。

【喫茶店営業許可】

喫茶店がアルコール以外の飲み物や軽食を提供する場合には、地方自治体からの喫茶店営業許可が必要となります。

【美容室・理髪店営業許可】

美容室や理髪店が美容や理髪のサービスを提供する場合には、これに関する営業許可が必要です。

【宿泊業許可】

宿泊施設を運営する場合、ホテルや旅館などが宿泊業許可を取得する必要があります。

【飲食店外席設置許可】

飲食店が店舗の外にテラスや屋外席を設ける場合には、これに関する許可が必要です。

【特定健康保険制度適用許可】

特定の健康保険制度を適用する場合、事業者はこれに関する許可を取得する必要があります。

【音楽利用許諾】

音楽を店内で利用する場合、著作権や関連権利に基づく許可が必要となります。

【ガソリンスタンド経営許可】

ガソリンスタンドを経営する場合、これに関する許可が必要です。

【遊技場経営許可】

アミューズメント施設やゲームセンターを経営する場合には、遊技場経営許可が必要です。

これらの許可は、地方自治体や関連機関によって異なる場合があります。事業者は所在地の自治体や関連機関に直接問い合わせ、必要な許可を取得するよう努める必要があります。また、これらの許可を正確に取得せずに営業を行うと、法的な問題が生じる可能性があるため、注意が必要です。

 

最後に

今回ご紹介させていたものは一般的な手続きであり、具体的な要件は地域や店舗の性質によって異なります。地元の自治体や関連機関のウェブサイト、または直接問い合わせることで、最新かつ正確な情報を入手できます。許可や申請を怠ると法的な問題が生じる可能性があるため、慎重に手続きを進めることが重要です。自身の店にはどの申請や許可が必要なのかしっかりと把握しておきましょう。